「どうして湯浅醤油はおいしいの?」~醤油の基礎知識~

湯浅醤油のおいしさの正体!素材や製法の秘密に迫る

醤油の町、湯浅で造る美味しい醤油の秘訣とは?

醤油の町、湯浅で造る美味しい醤油の秘訣とは?

「超おいしい醤油!」と言われるためのこだわり

「おいしい醤油だ」とか、「どうして湯浅醤油はおいしいの?」「濃いですが再仕込み醤油ですか?」とよく聞かれます。もちろん、良い原料(外国産の脱脂加工大豆ではなく、国産の丸大豆と小麦、そして、長崎の五島灘の海水から作られた塩)を使用し古式製法で仕込み、木樽で長期熟成させ、手間暇かけて布に何層にも包んで、ゆっくりと自然に搾りだされるまで数日かけ、おり(不純物)も時間をかけて沈め、塩水などで薄めたりすることなく火入れしてビン詰めしているからだと弊社の蔵人は自慢気に言います。

湯浅醤油は、甘味料やアミノ酸などの旨味調味料など一切使用していなくても、旨味を示す数値はおどろく程高く、通常の濃口醤油のレベルを遥かに超えています。濃いのは、旨味成分が濃いことであり、塩分が高いわけではありません。醤油をそのまま付けて食べるお料理でも味の違いはわかりますが、お料理に使用して頂くと、もっと違いが分かりやすくなります。ちょっと隠し味に使うだけで、ぐっと変わるのが不思議です。

 

【醤油の基礎知識 ~どうして美味しいのかをご理解いただく前に~】

おいしい醤油になる発酵過程

醤油の発酵過程は、1つではなく、3つの過程を経ておいしい醤油になっていきます。 木桶を使って醸造している湯浅醤油には、蔵や樽に住みついている微生物によって味わいも変わりますが、熟成期間を長くすることにも理由があります。それをご説明させて頂きます。

【醤油づくり発酵過程】

  • 第一段階 : 麹菌による働き
    蒸した大豆や茹でた大豆と炒り割り小麦(炒って挽き割った小麦)に麹菌(種麹)をつけて室(むろ)(湿度のある温かい部屋)に3日程かけて菌を繁殖させる。
    醤油づくりに中で一番重要なもので、ここで出来上がったものを【醤油麹】と言います。
    質の良い麹ができると、質の良い酵素が生み出され、下記の2つの分解が行われます。
    大豆のたんぱく質→アミノ酸に分解
    小麦のでんぷん→ブドウ糖に分解
             ↓
    【醤油麹】に塩水を合わせて仕込む→【諸味(もろみ)】
    (湯浅醤油の場合は、大豆に煮汁に塩を入れた塩水を仕込み水に使って仕込む)
             ↓
  • 第二段階 : 乳酸菌による働き
    麹菌の繁殖が塩水で仕込むことで止まるので、次は乳酸菌が活躍してきます。後の酵母菌の働きが活発になる前に、乳酸菌にしっかりと働いてもらうことで、醤油にさわやかな酸味や深みなどを生み出してくれます。乳酸発酵で【諸味(もろみ)】が弱酸性になることで、第三段階の酵母菌が活動しやすい環境になります。
  • 第三段階 : 酵母菌による2つの働き
    ① 主発酵酵母により、でんぷんから分解されたブドウ糖がアルコール発酵します。
    発酵過程で生み出されたアルコールは、乳酸菌がつくった有機酸と化学反応して複雑な香りを生み出します。酵母菌は温度が高くなると活発に活動します。
    ② 後熟酵母がゆっくり活動して味に深みを与えます。この深みは、1年以上熟成させないと出てこないと言われています。湯浅醤油の「生一本黒豆」や、「樽仕込み」醤油の深い味わいは熟成期間が長い為に生み出された自然の旨味です。

醤油の種類や分類

醤油の種類

醤油には、大きくわけて5つの種類あります。
九州の醤油(甘口醤油)は別のジャンルとして存在しています。

  • 濃口醤油 :大豆と小麦がほぼ同量。塩分16~17%。
  • 淡口醤油 : 小麦が多く、大豆が少ない。塩分18~19%。関西中心。塩分が高い。
  • たまり醤油 :大豆のみ。塩分16~17%。中部地方中心。醸造期間が2~3年。
  • 再仕込み醤油 :仕込み水の代わりに醤油を入れる贅沢な製法。醸造期間が2倍。塩分低め。
  • 白醤油 :小麦が主原料。透き通った淡い琥珀色。料理の彩りを生かすお料理に。塩分は高く17~18%。だしを加えた「白だし」が主流。
九州の醤油(甘口醤油)は別のジャンルとして存在しています。
九州地方で好まれる甘みの強い醤油。ブドウ糖や砂糖、ステビア、甘草、サッカリンなど甘味料が加えられています。

醤油の等級

醤油は、「特級」「上級」「標準」の3段階の等級がつけられています。おいしさについては、JAS規格というものがあり、一般社団法人日本醤油技術センターが官能検査で醤油の特性である色・味・香りなどを厳しくチェックし、合格することが必要で、検査は日本醤油技術センターが実施する「醤油官能検査員認定試験」に合格した者が行います。

しょうゆは5種類それぞれに、色・味・香りの総合的な特性をもっていて、醤油の種類によって、その特性や、うま味成分の指標である窒素分、色の濃さ、淡さなどを数値として決めています。アミノ酸液を加えても加えなくても、醤油の等級は、醤油中の全窒素分で決められます。全窒素分が多いもの程、旨みのある醤油ということになります。
すべての醤油がJAS規格を通す必要はなく、湯浅醤油はそもそも規格外になってしまうので、JASは取得していません。

 

● 3つの醸造方法

  • 本醸造 (湯浅醤油はこの製法): 本醸造という醸造方法は、江戸時代から続いている伝統的でシンプルな方法です。大豆と小麦に種麹をつけて塩水とともに仕込み、じっくりと旨味、甘味を引き出します。原材料には大豆、小麦、食塩とシンプルな原材料が表示されることが多いです。
  • 混合醸造: 本醸造方式で作られた「もろみ」に、アミノ酸液または酵素分解調味液を添加してさらに醸造し、1ヶ月以上撹拌しながら発酵・熟成させたものです。アミノ酸液とは、大豆などの穀物を塩酸で分解する旨味の強い液体です。甘味を加えるためにブドウ糖やステビア、甘草などの甘味料を加えることも多いです。
  • 混合: 本醸造方式で作られた「もろみ」を搾った醤油(生揚げ)に、アミノ酸液または酵素分解調味液、あるいは発酵分解調味液を加えて作ります。醸造はせず、醤油とアミノ酸液を混ぜている製法です。
醤油作りの大豆と脱脂加工大豆比

ポイントは、旨み成分であるアミノ酸液を加えるかどうか、そして、加えるタイミングです。アミノ酸液が悪い訳ではありませんが、一般に販売されている醤油は、アミノ酸液や甘味料が入ったものが多いです。原料の一番頭がアミノ酸液という醤油もあります。

原料の大豆についても、丸大豆ではなく、大豆から油分を抽出した後の脱脂加工大豆を使用しているところが大多数です。丸大豆を使用して醤油づくりをしているメーカーも少ないですが、国産の丸大豆を使用して醤油づくりをしている醤油は、国内製造の場合、たった3%という統計があります。その3%の中に、当店の湯浅醤油は入っています。

「世界一おいしい醤油をつくりたい」丸新本家の醤油

● 当店の基本醤油である湯浅醤油 蔵匠 樽仕込み

蔵人自慢の味【湯浅醤油 蔵匠 樽仕込み】について、ご説明します。
当店の醤油の基準となる醤油でもあり、ゆずぽん酢やかけるだし醤油、萬醤、たまごかけご飯醤油など、色々な醤油のベースになっている濃口醤油です。

 

湯浅醤油 蔵匠 樽仕込みの原材料

【湯浅醤油 蔵匠 樽仕込み】の原材料は、シンプルに国産丸大豆、国産小麦、長崎の塩のみですが、全窒素分は、2.3%以上です。濃口しょうゆの超特選の数値1.80以上をはるかに超える高い数値です。弊社は、古式製法で木樽を使用した天然醸造で、一般的な濃口醤油の原料配合でありながら、濃口醤油の規格を超える商品に仕上げた規格外のうまさの商品に仕上がっています。濃厚さでも、再仕込み醤油に負けていない濃い醤油です。【湯浅醤油 蔵匠 樽仕込み】の塩分は16%±0.5です。一般的な濃口しょうゆの標準値が17.5%、再仕込みしょうゆの標準値が15.6%なので、ちょうどその中間に当たります。

色は醤油の色を測る色度計の一番濃い色よりも濃い色なので、規格外の濃さです。
濃口しょうゆのジャンルの特級よりもさらに上の特選、超特選以上、また、再仕込み醤油のジャンルの特級よりもさらに上の特選、超特選以上と言えるような高い品質の醤油だと言えることがわかります。

湯浅醤油 蔵匠 樽仕込み 全窒素分(%) 標準塩分%(重量/容量)
2.3%以上 16%±0.5

色は醤油の色を測る色度計の一番濃い色よりも濃い色なので、規格外の濃さ

 

種類 等級 全窒素分(%) 標準塩分%(重量/容量)

濃口しょうゆ

標準 1.20以上 17.5%
上級 1.35以上
特選 1.50以上
特選 1.65以上
超特選 1.80以上

 

種類 等級 全窒素分(%) 標準塩分%(重量/容量)
再仕込みしょうゆ 標準 1.40以上 15.6%
上級 1.50以上
特選 1.65以上
特選 1.82以上
超特選 1.98以上

「特級」の中に、「特選」と「超特選」があり、特選は、こいくち、たまり、さいしこみしょうゆでは、特級の窒素分の1.1倍以上、超特選は特級の1.2倍以上と決められています。

 

 

古式製法で、濃口醤油の規格を超える商品に仕上げた規格外のうまさの【湯浅醤油 蔵匠 樽仕込み】は こちら

 

★甘味料やかつおや昆布などのだしなど加えていない醤油

生一本黒豆、樽仕込み、生搾り湯浅醤油(生しょうゆ)が長期熟成の醤油になり、アミノ酸など加えることなく、旨味成分である窒素分は非常に高い濃厚な醤油です。
魯山人は米を加えているので、自然な甘みがあることと、自然栽培の素材の素晴らしさが引き出されている醤油で、軽いのですが、非常に香りが強く旨味の高い醤油です。
九曜むらさきは、金山寺味噌のたまりを使用しているので、味噌の中に含まれる野菜等の複雑な旨味が含まれた塩分を少し控えたまろやかな醤油です。

 

★醤油マップ

当店の醤油を、味や旨みで並べて紹介します。
好みの味のお醤油をお選びください。
(*醤油マップをクリックしてください⬇︎)

醤油マップ

隆喜

    すき焼きはこれだけでOK!すき焼き、焼き鳥、照り焼き、焼肉、牛丼、海鮮丼、ローストビーフ丼、うなぎ、馬刺し 等

かけるだし(鳥出汁)

    本醸造醤油に昆布だしとかつおだし、鶏ガラから自社でていねいにチキンエキスを抽出した3種のだし入り。ぶっかけうどん、たまごかけご飯、しらす丼、冷奴、ゴマ和え、おひたし、和風ハンバーグなど

萬醤

    少し甘めの醤油。本みりんときび砂糖の甘みなので嫌味のない甘さで人気。色々なお料理に万能。さらっとしています。

魯山人

    数量限定。香りが違う。米が入っているので、やさしい甘みがあり絶品。唯一無二の奇跡の醤油。寿司や刺身(特に白身)、卵かけご飯、冷奴など

たまごかけごはん
(鰹出汁醤油)

    TKG専用醤油。かつお風味。たまごとご飯を引き立たせて旨味をアップしてくれる少し甘め醤油。

生しょうゆ

    毎年11月に発売になる冬だけ味わえる、火入れしない『樽仕込み』の生しょうゆ。搾りたてで旨みたっぷり、生の軽やかでまろやかな風味。寿司や刺身(特に白身)、卵かけご飯、冷奴など

九曜むらさき

    醤油の元祖。金山寺味噌のたまりを使用しているので、旨味たっぷり。さらっとしてたまり。減塩でまろやかなので人気です。寿司や刺身、おひたし、冷奴、湯葉、ステーキなどに。

煮付け醤油

    煮物にはこれ!昔からとても人気の定番。これをかけ醤油にしている人も多いです。煮魚、肉じゃがなどの煮物、お料理に。

樽仕込み

    1年半熟成。濃厚で深い味わいのスッキリ味。香りが良い。寿司や刺身、おひたし、煮魚、ラーメンなどに。どんな料理にも合います。

生一本

    丹波黒豆で作っている濃厚な2年仕込みの醤油。安定した味と香りが高評価。有名シェフ御用達。モンド・セレクション最高金賞2006年から連続受賞中。赤身や脂身の多い刺身、ステーキに最適。

白搾り(白醤油)

    和の料理だけでなく、洋食、中華にも使える優れもの。お料理がランクアップ。色をきれいに仕上げたい煮物、茶碗蒸し、たまご料理、オイル系パスタ、塩の代わりに旨味アップ。 おでん、お鍋、玉子焼き、炊き込みご飯、にんにく醤油、ドレッシング、カルパッチョ、白あえ、八宝菜