1月1日発行の業界専門誌【食品包装】にてフランス醤油を取り上げていただきました。
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★以下、本文より
●湯浅醤油
湯浅醤油(和歌山県湯浅町)は2025年10月、フランス・ボルドーの
ワイナリーで仕込んだ2種類のしょうゆ
【SHINKO NOIRE(シンコノワール)」
「SHINKO BLANCHE(シンコブランシュ)」
を数量限定で発売した。
2024年の商品化に続く第2弾で、今年はオリジナルの木箱で贈答仕様に
ブラッシュアップ。
フランス製のボトルと日本製の木箱を組み合わせたパッケージは、
伝統を守りつつしょうゆの新な可能性に挑戦し続ける
同社の姿勢の表れでもある。(取材・文/福本周子)
3.11やコロナ渦を乗り越えて
同社は1881年、創業者の新古(しんこ)スミ氏が前身である
金山寺みその店「新古商店」を開業。
1900年ごろ、しょうゆの製造販売を停止。
以降は金山寺みその製造に専念し、1985年に「丸新本家と改名した。
1990年には現社長の5代目当主・新古敏朗氏が入社。
金山寺味噌の溜まりしょうゆを開発・販売を開始し、
2002年に「湯浅醤油有限会社」を設立してしょうゆ造りを再開した。
木樽(だる)による仕込み、大豆にゆで汁に塩を混ぜて仕込み水として使う
古式製法、1年以上の熟成期間など、伝統的な手法を守りながら
時代の変化に合わせて挑戦を続けている。
2006年、黒豆を主原料とする「生一本黒豆」が
ベルギーで「モンドセレクション」の金賞を受賞したのをきっかけに、
フランスとベルギーでの取り扱いが始まったが、
2011年の東日本大震災の影響で停止に。
再開を模索する中、
ボルドーのワイナリーを音連れたことが契機となり、
2018年11月に同地で日本醸造家とのテスト製造をスタート。
コロナ渦での再度中断を経て、
ボルドー・サンテミリオンのワイナリー「シャトー・クーテット」から
「一緒にしょうゆ造りを」との声がかかり、
2023年から協働での仕込みがスタートした。
フランス産のオーガニック大豆、塩の産地として知られるイル・ド・レ産の塩を原料に
ワイン樽で仕込み・熟成。
使用する道具もワイン醸造用のものを流用したり自作するなどして、
フランスならではのオーガニックしょうゆを造り上げた。
日本とは異なるモノづくりに戸惑うこともあったが、
「同じ醸造業なので通じるところも多かった」と振り返る。
2024年4月、濃い口しょうゆの「SHINKO NOIRE」を発売し、
2025年には小麦が主原料の白しょうゆ「SHINKO BLANCHE」を追加。
商品名は、新古社長の名前とフランス語で「黒」と「白」を意味する語を組み合わせ、
味や色のイメージをわかりやすく表現した。
ボトルはフランス製、木箱は日本製
2024年はボトル単体で販売したが、
2025年10月、日本での発売分は組子細工の木箱をセットにし、
そのまま飾っておきたくなるデザインを目指した。
木箱は湯焼酎の耐衝撃性なども考慮し、クリアカートンで保護している。
ボトルとキャップは現地調達し、箱は日本製のものを採用した。
特にキャップはやや特殊な構造で、打栓前は外蓋と中栓が合体した状態だが、
しょうゆを充填後、ボトルに装着すると中栓だけが瓶内部に残って外蓋が分離する仕組みだ。
液だれもなく、見た目にも美しい形状だが
日本で業者に問い合わせても類似品が見当たらず、
現地でも入荷まで数か月待ちだったが、
新古社長は「自社の他商品でも使いたい。日本にないなら作ろうかと思っている」
というほどの気に入りようだ。
ボトルには直接印刷で商品名などをデザインし、
封緘シールも農園の風景を表現するなど、細部にまでこだわっている。
フランスのワイナリーが仕込んだしょうゆとあって、
世界初の百貨店と言われるパリのボン・マルシェの店頭に
2商品が計6面で陳列されるなど、異例の対応が実現。
各国のワイン雑誌でも紹介されるなど反響が大きく、
初回製造分9000本のうち7000本を3ヵ月で販売した。
2024年10月には日本でも「~NOIRE」を200本限定で自社直営店舗4店で発売し、
1本1万円超という価格ながら完売。
2年目となった2025年も、4月にフランスで発売した第1ロットは3ヵ月で完売。
日本では10月1日の「しょうゆの日」に、第2ロットを「~NOIRE」は290本、
「~BLANCHE」は95本の限定で、直営店4店舗で発売した。
◇ ◇
2002年、新古社長が有限会社として「湯浅醤油」を立ち上げ、
自社で途絶えていたしょうゆ醸造を再開した経緯には、
地元がしょうゆ発祥の地であることを知らなかった自身の体験がある。
江戸時代の湯浅には90件以上あったといわれるしょうゆ蔵は、
明治維新による政変や輸送手段の変化など、時代の波の中でわずか数社にまで減った。
「しょうゆ発祥の地で世界一のしょうゆを造り、湯浅を訪れてもらうことで、地元の子供たちにもその歴史ろ伝統を伝え、将来、誇りをもって発信してほしい」
というのが同氏の願いだ。
しょうゆ発祥の地から世界をつながる商品を生み出した同社の挑戦に、
引き続き注目したい。
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